■内容構成
はしがき
1.クルマ社会は何をもたらしたか
車は人間を解放したか
「クルマ強制社会」の形成
歩かなくなった人々
公共交通の縮小
災害と車~被害を拡大する車社会
格差・分断を助長するクルマ社会
2.社会的費用半世紀
社会的費用半世紀
宇沢の「自動車の社会的費用」論
宇沢以後の主な指標の推移
環境規制の経緯
排気ガス規制と大気環境
燃料規制
騒音規制
自動車は汚染のデパート
運転免許保有状況の変化
「若者の車ばなれ」
3.住み方・動き方
人と貨物の動き方
自動車はどのように使われているか
都市の構造と人の動き
街を変えた車社会
「停まる凶器」
4.道路に関する動き
道路政策の経緯
道路整備の効果
道路財源の推移
負担と受益
道路事業決定過程の不透明性
道路財源縮小の時代
自動車・道路裁判
5.終わらぬ「交通戦争」
交通事故の推移
日本の交通事故の特徴
交通事故は構造的な問題
事故データの公開
過剰なパワーが事故の背景
悪質ドライバーに対する対策
飲酒・薬物の影響
コロナ禍でも減らない重大事故
車より軽い人命
生命の経済的価値
6.現代の社会的費用論
社会的費用論
内部化に関する論点
社会的費用の現代的意義
社会的共通資本を守る
分野ごとの考え方と事例
大気汚染
気候変動
騒音
交通事故
道路インフラ費用
渋滞(混雑)
駐車
全体的なまとめ
7.技術は社会的費用を解決しない
先進技術の幻想
自動運転の幻想
自動運転の概要
自動運転は「低速」と「物流」で
「エコカー」は負の外部性を解消するか
EVは「走る原発」
EVのネットワーク利用は可能か
FCVも「走る原発」
補助金漬けのエコカー
EVの社会的費用は高い
MaaS(マーズ)は車社会を変えるか
8.ポストコロナのクルマ社会
新型コロナとクルマ社会
「新しい生活様式」は持続的でない
クルマへのシフトの動き
自動車か、移動の自由か
高速道路はSDGsか
自動車走行量の減少
これからの国土利用のあり方
「クルマノミクス」からの脱却
「ドウロノミクス」からの脱却
「低速交通」の重視
外国の交通政策との比較
9.物流をどうするか
誰がトラックを走らせているか
インターネットは「物質転送機」ではない
トラックドライバーの実態
鉄道貨物の活用は可能か
鉄道貨物の縮小経緯
社会的費用のケーススタディ
トラックドライバーの不足
10.公共交通と社会的共通資本
車がいらない社会をめざして
公共交通は格差緩和のシステム
地域の持続性と交通
道路を、取り戻す
交通機関とエネルギー
鉄道の位置づけの転換
社会的に必要なサービスレベル
おわりに~カローラが発売されたころ
お知らせ
東大教授の宇沢弘文が「自動車の社会的費用」を出版してから半世紀。いままたカーボンフリーやSDGsが聲高に叫ばれる中、今一度クルマ社会の負の側面をあぶり出す。上岡直見、緑風出版
この本の紹介ページ 内容の見出し
20世紀の経済成長を支えたのは自動車産業で有ることは間違いないが、その急速な発展は様々な外部費用を負担しないままなされた側面が有る。筆者は豊富な知識と、数字的解析を行って、丁寧な説明をしている。最近言われるクロスセクター効果とも表裏一体のものだが、まずはクルマ社会の負の部分を今一度再考しておくことも大事だ。
ウクライナ戦争でまたガソリン代が跳ね上がり、税金を投入して安くすることばかりが議論される日本に対して、逆にこれを機に過度な自動車依存を見直して、公共交通誘導策を取るのがドイツだ。食糧自給率でも異様に低い日本だが、エネルギーと食糧の自給は最大の国家防衛だとという考え方が根底にある。
自動車交通のすべてを公共交通シフトする必要は無いが、国家経営のリスク分散の観点から、公共交通のサービスレベルを上げる投資は必要だ。
■機械式駐車場、15%のマンションが平面化 メンテナンスが重荷に 新着2022-0910 朝日新聞
■道路に“塗料のレール” 塗るだけでOKの自動運転インフラを体験 コスト大幅減 新着2022-0907乗りものニュース
■5人か1人か、どちらを救う? 自動運転車が直面する「トロッコ問題」【けいざい百景】 2022-0722時事通信
■【波紋】滋賀「交通税」検討 “赤字路線を救う”? 新着2022-1110 テレビ朝日
■滋賀の三日月県知事「交通税、県民が等しく負担を」 新着2022-1020 日本経済新聞
■滋賀県、新交通ビジョン策定へ初会合 交通税と議論並行 2022-0623 日本経済新聞
■「交通税」はなぜ必要? 滋賀県が全国初の検討「置き去りにされてきた議論」2022-0527のりものニュース
滋賀県では三日月大造知事の強いリーダーシップのもと、交通税の議論が進んできた。民主党政権下で国土交通副大臣を務めた三日月さんは、公共交通問題については思いが深い。元々JR西日本の社員であり、JRの組合関係から国会議員になった。国会の超党派のLRT推進議員連盟では事務局長を務め、地域公共交通活性化再生法や交通政策基本法制定では中心的役割を果たしてきた。2011年には東日本大震災、2012年には衆議院選挙で交通基本法が成立せず、自民党政権下の2013年に自民党案の「交通政策基本法」として成立したが、三日月さんは交通権や財源に対して強い思い入れがあったように思う。秘密保護法の審理が始まると基本法が成立しない状況下で、多くの付帯決議を付けた上で自民党案に乗る選択をしたとき、辻元議員、逢沢一郎議員と情報交換をし、三日月さんを説得して貰った。この時「交通権」に踏み込めなかったが、其れが故に公共交通支援の財源が不足したまま、コロナ禍を迎え、日本は交通崩壊の危機を迎えている。
■全国初「交通税」導入へ議論本腰 赤字の地方鉄道や路線バス「存続の危機」 2021-0730 京都新聞
かねて検討されてきた交通税、ハードルはなかなか高いが、今後各地で連動した動きが必要だ。自治体が独自に公共交通のサービスレベルを設定し、それを実現するためには、人材確保、ノウハウ構築とともに財源確保が不可避だ。
■近江鉄道沿線地域公共交通計画(原案)に対する意見・情報の募集について 2021-0721 滋賀県
■地域の公共交通維持へ「交通税」検討…全国初、24年度以降の導入目指す 2022-0327 読売新聞
コロナで2年間開催を見送った、岡山路面電車まつりを6月11日に岡電東山車庫で開催のご案内
「ベビーカーで乗り放題電車バスにしたいね!」
「公共交通の存在はユニバーサルデザイン、社会基盤」
「公共交通のサービスレベルは誰が決めるの!」
無事終了しました、ご参加のみなさん、ありがとうございました。
場所 岡電東山車庫
★路面電車ちょこっと運転体験(小学生40名)①10:30②13:00
当日10時岡電東山で受付(問合272-5520)、当日先着順 ワンコイン500円
★チャギントン電車と岡電ミュージアム
★路面電車展示(7101)乃木坂46 4期生 掛橋沙耶香さんの写真がデザインSUENAGA Groupイメージモデル 瀬戸ぎわの、公共交通を救え! 正念場ッス!
岡電バス、ラッピングバス
★オージー君・たま駅長代理とジャンケン大会
★のりものあつまれ~!【展示車両は都合により変更します】
パトカーx白バイ に乗ってみよう(岡山中央警察署)
岡山カレータクシー(岡山交通)
★玉野市電保存会・RACDA、グッズ販売、鉄道模型運転
RACDAブースでは、寄贈品・在庫品の一部を販売します。
★ミニライブ(まちだこうぞう)
★岡山電気軌道グッズ販売(MOMO、たま、和歌山電鉄など)
鉄道グッズ販売と飲食コーナー
おかでんミュージアムのテラスがおしゃれなブックカフェに(古本・斑猫軒)
★一日乗車券、RYDE PASS無料企画(6/11当日に岡電RYDE PASS初購入の方)
クーポンコード「oka20220611」の入力で1日乗車券1人分400円が割引(1端末1名様50本限定)
▽新型コロナウイルス感染防止対策のお願い
1.体調が悪いときは、来場をお控えください。
2. 入場時、受付にて検温・体調確認をして、連絡先のご記入をお願いします。
3. 入場時に、体温が37.5度以上の方、風邪等の症状がある方は入場をお断りします。
主催 NPO法人・公共の交通ラクダ(RACDA)
共催 岡山電気軌道株式会社(開催など問合086-272-5520)
後援 岡山市、岡山市教育委員会、西日本旅客鉄道㈱岡山支社
協力 岡山中央警察署、山陽学園、玉野市電保存会、オージー技研(株)、岡山交通
当日は雨の予報でしたが、曇り空の中朝から続々お客様が来場、幸いほとんど雨も降らず、予定通り開催できました。
NHKニュース(動画あり) 岡山市で3年ぶりに「路面電車まつり」 子どもたちが運転体験
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20220611/4020012932.html
OHK(動画あり)
アクセルレバーを操作し気分は“運転士” 3年ぶりの「路面電車まつり」で子供たちに笑顔【岡山・岡山市】
https://www.ohk.co.jp/data/26-20220611-00000008/pages/
KSB(動画なし)
3年ぶり「路面電車まつり」開催 岡山
https://news.ksb.co.jp/article/14642900
RSK(動画なし)
3年ぶりに「岡山路面電車まつり」開催 小学生が運転士と一緒にレバーなどを操作
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rsk/68070?display=1
■「定期半額」「新駅設置」なぜ地方鉄道が高校生の利用促進?新着2022-0617 NHK
高校生の8割が“車通学”…全国唯一の「鉄道なし県」沖縄。東京より渋滞するって、なんで? 2022-0514 琉球新報
沖縄返還50周年。アメリカ軍が徹底的に破壊した中には、沖縄の鉄道もあった。その後アメリカ統治下では鉄道は復活せず、返還後急速に自動車社会になる。今や沖縄観光はレンタカーに頼る時代になり、那覇空港のレンタカー不足、レンタカー渋滞地獄が話題になる。
高校生の悲鳴「放課後ダッシュで毎日ドタバタ」 JRダイヤ改正で授業繰り上げ 2022-0520 下野新聞
やはり全国で起こっている、無暗な減便とコストカット。民営化JRの露骨な経営姿勢が、現れている。全国の高校生を敵に回してもいいのか。そんな町にはもう二度と帰ってこない。そして市町村も政治家も「誰が公共交通のサービスレベルを決めるのか」を考えなければいけない。決めるのは地域だ。陳情ではダメで、金も出すなら口も出すという姿勢が必要。国も単に国土交通省の問題では無い。少子化も貧富の差も、買い物難民も、介護難民も、交通政策の貧困から起こっている。そして地方では自動車が幅をきかせすぎ。また鉄道と謂えば新幹線建設しか頭に浮かばない政治家達
■瀬戸内市直営バスは中高生無料 2022-0321瀬戸内市ホームページ
交通評論「通学定期」 関西大学宇都宮浄人教授 「交通新聞 2021年3月30日付」
コロナ禍で大打撃を受けた公共交通の支援の一つとして、日本では当たり前となった通学定期割引の仕組みも、見直す必要がある。
■「鉄道ファン」しかほぼ乗らない「JRの赤字路線」は廃止一択…高校へは自転車で通ってください 新着2022-0922週間現代
こんなコメントを出す人間もいるんだな、というサンプル、中山間の路線で、山坂在る所を自転車で通えると思ってるのかねえ。
。
鉄路の先に ローカル線と地域(4)宇都宮教授インタビュー 2022-0504 山陽新聞
「鉄道の維持、活用は地域主体で検討を」
鉄道を存続するだけでなく、地域社会がいかに活用し、「投資」として考えていくかの処方箋を提示。小手先の補助制度や経営効率化、ではなく、自動車交通と比較して圧倒的に少ない日本の公共交通投資のあるべき姿を見据える。
■富山県の公共交通運行計画「交通事業者の採算性よりも、県民の利便性を重視」新着2022-0901富山テレビ
■存廃問われるローカル線、「BRT」は鉄道に代わる交通手段になれるのか新着2022-0825JBPress
■欧州の交通計画 SUMP普及へ、両備グループの研究所、指針を翻訳 生活の質を高める手段に 新着2022-0701 日本経済新聞
■公共交通を潰し続ける日本 復興のカギは欧州交通計画「SUMP」にあった! 新着 2022-0618 Merkmal
「無くしてしまったらもう終わり」6.2億円の赤字で『JR廃線の危機』町長や町民らが「困惑」32年前に廃線の町で■はバスも存続危機で『負の連鎖』 2022-0503 MBSニュース
鍛冶屋線廃止を経験した住民運動のリーダーの発言が秀一。無くしたら二度と作れない、バスは無くなる、地域も無くなる
昔は広島市のバス会社も競争が激しかったが、路面電車を運営する広島電鉄が音頭を取り、毎年のバス祭りを斉台に実施してきた。事業者間のまとまりも出てきて、ICカードやデータシステム整備を進んでいたが、ここへきてバスの共同経営、運賃値上げとセットで、今回は広島市も絡んで、上下分離が打ち出された。先月末には広島出身の岸田総理に広島市長が会って、協力要請したようだ。また斉藤国交大臣も広島出身で、芸備線存続問題にも関わってきそうである。
広島市、路線バスの「上下分離方式」検討 公的資金を投入 新着2022-0503 中国新聞
だが我々RACDAのズーム会議では、無条件にこれを歓迎する論調ばかりではない。広島のバス業界の取り組みは評価できるが、上下分離の実態がどのようなものになるか、まだまだ見てこないし、道路との関係、自動車交通との関係は未整理なままだ。図にあるように、上下分離の対象になるバス運行での減価償却費の比率は、鉄道に比べてかなり低い。
熊本市電「上下分離」2022年度検討業務の公募型プロポ公告 新着2022-0506 鉄道プレスネット
ここへきて、各地の値上げのニュース、太田恒平さんがまとめました 新着2022-0426
1999年の県庁通りトランジットモール実験以来22年、ついに県庁通りの一車線化が完成した。これから徐々に賑わいが生まれていくと思う。この間、沖縄の国際通り、京都の四条河原町、姫路駅前通などで、歩行者空間の拡大が行われてきた。1kmスクエアー構想のうったては平成元年、1989年なのだが、その提案から全国的にコンパクト&ネットワークの動きが始まり、都市計画に公共交通と災害対策を入れた「立地適正化計画」の策定はすでに405都市で実施された。
だが、公共交通重視はまだまだ絵に描いた餅で、予算も資源も不足、自動車社会の負の遺産の部分は見過ごされ、中高年の地方在住者にはまだまだ自動車神話が蔓延している。地方都市の都心に対する投資は、地方文化の形成と付加価値経世に無くてはならないもの。さらに自治体にとっては都心に活性化は、重要な自主財源確保にもなる。このあたりまたシリーズで瓦版にも書いていきたい。
大型連休を迎えた岡山市の「県庁通り」 1車線化で広がった歩道ににぎわいは? 新着 2022-0506KSB
前回の瀬戸芸では、晴れた日の朝、これはいいぞと急遽、岡山から赤穂線に乗って出かけた。
岡山駅から日生駅(JR赤穂線)
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日生から大部(瀬戸内観光汽船フェリー)
日生を出ると、別荘地の島の頭島、沖に出ると、犬島を遠望出来る。左には姫路沖合の家島、赤穂御崎なども見える。初めから正目何は目の前に小豆島が見える。
大部から土庄(小豆島オリーブバス)
第1回の時は、オリーブバス設立の頃で、バスが無くなるのではないかという危機だった。町が出資して事実上公営。島の端までは1100円だったのが、上限は300円になり、農村歌舞伎のあるあたりから、瀬戸芸を契機に路線の組み変えで便利になった。最初はICカードが使えなかったが、今は琴電カードや全国のICOCAなど10カードも使えるはず。ただし10カードは車内でチャージできないから、コンビニなどで余分にチャージしておこう。便数は少ないから、よく調べて、乗継ぎには注意。大部から土庄はかなり距離もあるし、山道なので、ちょつと歩いたりはできないよ。
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芸術作品を見ながら、バスを乗り継いでいく。チラチラ見える海では、いつも犬島が見えているはず。
土庄から新岡山港(両備フェリー)
ここでも、土庄港を出るとすぐに犬島が見えてくる。土庄港からは芸術祭期間中は、犬島まで3便の高速艇が出ている。小豆島急行フェリーの運航だが、ここは四国フェリーの関係会社。検索はやや難しいが、時刻表にはちゃんと掲載している。
新岡山港から岡山駅(岡電バス)
今回の瀬戸芸期間の犬島アクセス
西大寺・西宝伝直通バス 運行の両備バスのページ
岡山駅から西大寺駅までは昼間も30分に1本の電車が維持され、JRの速達性が遺憾なく発揮されていて、18分ほどです。ほとんどの所からはJR便で西大寺に出てから、バス乗り換えが早い。
第1便 岡山駅9:54→10:12西大寺10:20→10:45西宝伝11:00→11:10犬島
第2便 岡山駅11:53→12:13西大寺12:20→12:45西宝伝13:00→13:10犬島
この便は、瀬戸芸・岡山デスティネーションキャンペーン・岡山芸術交流期間中は毎日2便運行
デマンド予約型運行の形式を取るが、60人乗りの大型バスを使用するので、ほぼ積み残しはないだろう。続行運転もあるだろう。従来と同じスタイルでの犬島アクセスが可能。
11/30までのイベント期間外も第1便のみはジャンボタクシーで運行される
ただ、岡山市中区・東区の方々は、両備バス西大寺線に乗って、西大寺バスセンターから乗り換えるのが便利。
西大寺おもてなし事業のチラシ
岡山駅・西宝伝直行便(両備バス)
岡山駅からの直行便は、1便 9:52 と2便 11:52 があり、天満屋バスステーションにも止まるので、岡山市南区の方などは天満屋からが便利。
直行便の1便は期間中毎日、2便は土日祝運行。期間外も1便は土日運行、ただしいずれも美術館休館日は運行しない。
瀬戸芸関係の直島・豊島・犬島に行く航路やバスは、それぞれの島の美術館休館日は運行しない事が多いので、美術館や船会社。バス会社のカレンダーを調べておいて、間違わないようにして欲しい。スペースの関係で、備讃瀬戸アクセスマップにはすべて掲載できないので、QRコードを掲載してある。
京橋クルーズ
今回も岡山市中心の京橋が土日休日には、犬島直行の船が運航される。9:40京橋発で65分。この船は今回そのあと二往復は豊島唐櫃港に運行され、従来からある四国汽船の直島便の3往復は西の家浦港に入ることから、豊島美術館により近いルートが確保される。豊島観光の幅が広がる。犬島からの帰りは、16:00発の1便で、17:05に京橋着。なお、おかやまデスティネーションキャンペーン中には、犬島・牛窓間の運行を計画されており、マスキングテープ観光が出来るようだ。
四国汽船の直島・豊島からのアクセス
直島観光では必ずお世話になる四国汽船は、2016年以来一日3便をずっと運航している。
小豆島急行フェリーの土庄便
今回も小豆島・土庄港から犬島への臨時便が3往復運行される。
犬島へのバス便再開の経緯
2022年3月31日をもって、両備バスの西大寺宝伝線が廃止されました。RACDAでは4年前の両備バス無改札スト以来、この路線を含めた東備地区の路線バスが危機的状況にあるのを鑑み、前回瀬戸芸時のアクセスマップでは、西大寺から邑久・牛窓方面への電車バス全便を掲載した時刻表に衣替えすると同時に、様々関係者に提案をさせていただきました。
しかし今回はコロナ下で全国の公共交通事業者は「交通崩壊」を起こしている状況であり、いわばJRの新幹線含めて、公共交通の運行は「ジャブジャブお金をバラマイテ走っている」状態です。現行法制度は、独立採算を基本とした民営主体の制度になっており、柔軟な対応が出来ていません。また予算的にも公共交通を社会インフラとして支えるものにはなっていません
そういう中で、今回廃止の宝伝線は一日4便ほどでしたが、瀬戸芸開催時には威力を発揮しており、また西大寺からの便の上、多客時には岡山駅直通便も運行されていました。しかし一昨年の年間収入は200万ほどで、650万円赤字とのことでした。路線廃止では地元は存続意向を示さず、岡山市はデマンド交通を検討するとのことで、瀬戸芸開催にもかかわらず、犬島精錬所美術館への足は全く確保されない恐れがありました。
そこでRACDAでは発足早々の「西大寺活性化協議会」に、まずは瀬戸芸期間の臨時バス運行を呼びかけました。昭和42年に岡山市に合併された西大寺市には観光協会も無く、地元のまちづくりの意志を示す場が無く、それを打開するために、裸祭りの観音院や映画ロケ地で有名な五福座通りの活性化などを目指して、岡山商工会議所などが中心となって、昨年秋、西大寺活性化協議会が結成されました。
一方、犬島は岡山市唯一の離島として、住民は60人、実は半減しており、若い人は西大寺に出ていました。犬島が瀬戸芸の会場になったのも、精錬所の廃墟を生き返らせたいとの思いからのもので、漸く移住者も入り始めたところでした。しかし地元西大寺などでの美術館の認知度は低く、人口減少が激しいので、吉井川東側の4小学校と中学1校が統合されて山南統合校が4月1日に発足しました。
ところがそのスクールバスには5年で1億8700万円が投じられます。また犬島では光ケーブルが無く、Wi-Fiが使えないことから、岡山市が1億2300万円、福武財団が1億2300万円、NTTが1億400万円の合計3億5000万円かけて、なんと4月1日に整備され、瀬戸芸観光客が犬島でWi-Fiを使えるようになったのです。予算の出所が違えばお金は出る物ですが、バスが無くなればやがて地域の活力は失われます。なんというタイミングの悪さでしょうか。
そこで地元市議や美術館関係者も加わって、西大寺活性化協議会の場で、犬島アクセスの西大寺からのバス運航が議論され、岡山市交通政策課もデマンドバスの仕組みによる運行を提案、入札も行われて、とりあえず11月30日までの運行が計画されました。観光予算を使うことから、今回は西大寺バスセンター・西大寺駅から西宝伝直行となりましたが、帰り便については観音院入口で下車可能となっており、観音院・五福座の異次元空間を楽しむことが出来ます。おもてなし事業で、色々割引なども実施されます。
詳しくは西大寺活性化協議会のホームページを御覧下さい。