2022年 9月

NPO法人 ふくい路面電車とまちづくりの会(NPO ROBA)は、公共交通を活用したまちづくりをめざし、今年で創立20周年を迎えます。
 これを記念し、富山大学の中川大教授をお招きし、新幹線・並行在来線開業を契機とした北陸三県の鉄道を活用するまちづくりについて、9/17にフェニックスプラザで熱く語っていただくことになりました。
 翌日の9/18には、世界規模の公共交通イベントカーフリーデーの福井版を田原町駅周辺で開催します。
 いずれのイベントも無料で参加できますので、お気軽にお越しください。
リ・デザイン提言で、赤字補填的補助はやめようという提案がなされています。しかし、この「赤字補填」という概念がどうも厳密な定義を欠いたまま一人歩きしている感があります。
例えば、コミュニティバス1台を年間1500万円で運行委託するとします。運賃収入はすべて(事業者の運賃箱を経由して)自治体の収入になるとすれば、これは単に利用者負担割合と公財政負担割合の問題になります。一方、事業者が回収した運賃を一度自治体に吸い上げるのは手間ですから、差し引きして「1500万円―事業者が回収した運賃」を自治体が事業者に渡すことも考えられます。両者は本質的には変わりませんが、単に事業者だけに着目すれば、後者は「利用者が増えるほど補助金が減る(悪い)仕組み」に見えなくもありません。
ここで言いたいのは、会計的なお金の流れが本質を表しているわけではなく、誰がリスクを負担しコントロールしているかが本質ではないかということです。
いわゆる悪い赤字補填は、事業者の赤字=言い値を全額補助するものが想定されます。これは、赤字補填だから悪いのではなく、事業者の収入・支出リスクをすべて公的補助の主体が背負わされているうえに、サービス設計は事業者が行っているのでリスクの負担者がリスクをコントロールしておらず、効率化責任がどこにもないから悪いという話のはずです。
リスクの適切な負担とコントロールを入れた仕組みには、例えば事前に委託費を値決めした運行委託(支出リスク→事業者、収入リスク→行政)、事前に補助金額を値決めしたサービス協定的なもの(支出リスク→事業者、収入リスク→事業者)があります。ただ、これらも事業者に着目して会計的に見れば「赤字の補填」の仕組みの一種です。仮にこれらの仕組みを「欠損補填」と言って批判すれば、もはや行政は公共交通にお金の出しようがなくなります。
その点、「リ・デザイン」提言はそのあたりの腑分けがされていない記述のように見えており気になります。
「既存の運行経費に対する支援は、単年度で系統単位の実績に応じて欠損額の補填を行うものであることから、そのままでは事業改善を行っても赤字欠損の額が減るのみで、交通事業者がサービス水準の向上や運行の効率化等を積極的に行うインセンティブとなりづらい」は、仮に最初から「運行委託」として行っているのであればそもそも問題と認識されない事柄です。
単年度であることは、運行委託の契約期間の問題ですが、自治体コミバスの運行委託などでは複数年契約も少なくないですし、実態として事業者をコロコロ変えている自治体はあまりなさそうです。
むしろ、問題は地域間幹線系統国庫補助のお金の出し方の論理が中途半端であることに起因しているような気がします。
2001年以前の事業者補助が終了して生まれ変わった地域間幹線系統国庫補助は、黒字事業者も対象となり、「赤字広域路線の国・県による運行委託」という仕組みが目指されたはずです。また、意思決定は県が行い、国が協調補助するものですから、お金の流れではなく意思決定の流れに着目すれば、国から県への間接補助と同じです。
一方、制度の具体的組み立ては従来の事業者補助の名残もあり、サービス設計や事業者選定・契約などの「委託契約」という実態は乏しく、事業者支援という性質を色濃く残した面があります。
赤字補填批判から2011年頃に制度が変わり、見込み収入額と見込み支出額から事前に補助額を確定するようになりました。ここにおいて、先の分類でいうと運行委託というよりもサービス協定タイプのお金の出し方になっています。
また、補助対象経費の算定にあたっては地域ブロックごとの標準経費を超えるとペナルティを与えるなど、ヤードスティック規制のような仕組みが取り入れられています。これは地域独占事業者に改善効率化努力を課すにはよい仕組みですが、「県レベルの運行委託」という趣旨とはうまく合致しない政策です。
さらに、地域間幹線系統国庫補助の補助額は補助対象額の9/20が上限のため、それを超えると、事業者が退出するか、市町村が補填に加わるかという選択が浮上することとなります。ここで市町村が補填に加わる際に、旧態の「赤字欠損補填」タイプのお金の出し方が入り込むことがあるようです。リ・デザイン提言が「実績に応じて欠損額の補填を行う」と言っているのはここのことでしょうか。
もちろん、このように補助金が絞られてきたために、地域間幹線系統国庫補助路線は補助後赤字が常態化し、事業者も内部補助で責任を分担するようになっています。
「運行委託」という仕組みにのっとってシンプルにリスクコントロール策を導入していればよかったものを、運行委託≒赤字補填という雑な認識もあってか、国が県を飛び越えて事業者の改善効率化を課す方向で毛色の異なる様々な補助金削減効率化手法を入れた結果、誰がどのようなリスクを分担する仕組みなのかよくわからない仕組みになっているように思われます。
いま必要なのはこの経緯の仕分け、リセットではないかと思うのですが、この上さらに「交通事業者への事業改善インセンティブ措置」「複数年、エリア単位」という論理を上乗せするとすれば、さらに制度の性格を複雑化させないか疑問があります。
そして、そもそもですが、公共交通への補助は国庫補助がすべてではありません。国庫補助はどうしても国→事業者への改善効率化策に自治体が巻き込まれてしまう構図があるわけですが、地方単独補助(委託)であれば自治体―事業者のシンプルな関係でそれぞれの地域事情に合った補助・委託関係を結ぶことが今でも可能です。国庫補助を増やすべきなのか、地方自治体が公共交通政策に使えるお金を増やす(地方財政措置)のかという点からもっと議論されるべきではないかと思います。

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中立ねえ、国交大臣ももう少し言い様があるだろう。今まで散々JRに丸投げしておいて、対する自治体には鉄道の分る人なんていないのだから、中立ではダメだよ。

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「北海道の鉄道を活かそう!」Vol.1 北海道の鉄道の現状と今後のあるべき姿 2022-1129【ch桜北海道】
キャスター:大泉 大(タイセイ株式会社常務取締役)
ゲ ス ト:阿部 等(株式会社ライトレール 代表取締役社長)
◇PromJapan株式会社公式HP
https://www.promjapanapp.com/
◆チャンネル北海道公式HP
http://ch-hokkaido.jp/

 毎週のRACDAのZoom会議常連の阿部等さんの、JR北海度活性化策は、全国の鉄道廃止の流れへの処方箋でもある。
 駅を増やし、便数を増やし、自動車やバスよりも便利にすれば、役立つ鉄道は沢山ある
鉄道のサービスレベル改善で、日本を救う事が可能、温暖化対策も、少子化対策も、鉄道の徹底的利用で可能
東京大阪名古屋など太平洋ベルト地帯の経済成長・人口増加は、鉄道の威力が作ったもの、ところが今日本人はそれを忘れている。

 そして大都市に住んでいる人は、いまなおその利便性を享受しているが、吸い取られた地方公共交通の税金投入には反対する

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レンタカーしか選べないような観光地は衰退する、当たり前ではないかと思うが、ここへきて鉄道バスの無い観光地が激増している
あまりの不便さに、落胆して、2度と訪問しない
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乗客が3倍に増えた路線バス 発想の転換、独自戦略が奏功 2022-1121 毎日新聞

2022-0826国土交通省のアフターコロナに向けた地域交通の「リ・デザイン」有識者検討会について、その内容を検討する。
提言概要(PDF形式:156KB)
提言本文(PDF形式:2.7MB)
感想と課題

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