2022年 5月

■内容構成
はしがき
1.クルマ社会は何をもたらしたか
車は人間を解放したか
「クルマ強制社会」の形成
歩かなくなった人々
公共交通の縮小
災害と車~被害を拡大する車社会
格差・分断を助長するクルマ社会
2.社会的費用半世紀
社会的費用半世紀
宇沢の「自動車の社会的費用」論
宇沢以後の主な指標の推移
環境規制の経緯
排気ガス規制と大気環境
燃料規制
騒音規制
自動車は汚染のデパート
運転免許保有状況の変化
「若者の車ばなれ」
3.住み方・動き方
人と貨物の動き方
自動車はどのように使われているか
都市の構造と人の動き
街を変えた車社会
「停まる凶器」
4.道路に関する動き
道路政策の経緯
道路整備の効果
道路財源の推移
負担と受益
道路事業決定過程の不透明性
道路財源縮小の時代
自動車・道路裁判
5.終わらぬ「交通戦争」
交通事故の推移
日本の交通事故の特徴
交通事故は構造的な問題
事故データの公開
過剰なパワーが事故の背景
悪質ドライバーに対する対策
飲酒・薬物の影響
コロナ禍でも減らない重大事故
車より軽い人命
生命の経済的価値
6.現代の社会的費用論
社会的費用論
内部化に関する論点
社会的費用の現代的意義
社会的共通資本を守る
分野ごとの考え方と事例
大気汚染
気候変動
騒音
交通事故
道路インフラ費用
渋滞(混雑)
駐車
全体的なまとめ
7.技術は社会的費用を解決しない
先進技術の幻想
自動運転の幻想
自動運転の概要
自動運転は「低速」と「物流」で
「エコカー」は負の外部性を解消するか
EVは「走る原発」
EVのネットワーク利用は可能か
FCVも「走る原発」
補助金漬けのエコカー
EVの社会的費用は高い
MaaS(マーズ)は車社会を変えるか
8.ポストコロナのクルマ社会
新型コロナとクルマ社会
「新しい生活様式」は持続的でない
クルマへのシフトの動き
自動車か、移動の自由か
高速道路はSDGsか
自動車走行量の減少
これからの国土利用のあり方
「クルマノミクス」からの脱却
「ドウロノミクス」からの脱却
「低速交通」の重視
外国の交通政策との比較
9.物流をどうするか
誰がトラックを走らせているか
インターネットは「物質転送機」ではない
トラックドライバーの実態
鉄道貨物の活用は可能か
鉄道貨物の縮小経緯
社会的費用のケーススタディ
トラックドライバーの不足
10.公共交通と社会的共通資本
車がいらない社会をめざして
公共交通は格差緩和のシステム
地域の持続性と交通
道路を、取り戻す
交通機関とエネルギー
鉄道の位置づけの転換
社会的に必要なサービスレベル
おわりに~カローラが発売されたころ

東大教授の宇沢弘文が「自動車の社会的費用」を出版してから半世紀。いままたカーボンフリーやSDGsが聲高に叫ばれる中、今一度クルマ社会の負の側面をあぶり出す。上岡直見、緑風出版
この本の紹介ページ  内容の見出し
20世紀の経済成長を支えたのは自動車産業で有ることは間違いないが、その急速な発展は様々な外部費用を負担しないままなされた側面が有る。筆者は豊富な知識と、数字的解析を行って、丁寧な説明をしている。最近言われるクロスセクター効果とも表裏一体のものだが、まずはクルマ社会の負の部分を今一度再考しておくことも大事だ。

ウクライナ戦争でまたガソリン代が跳ね上がり、税金を投入して安くすることばかりが議論される日本に対して、逆にこれを機に過度な自動車依存を見直して、公共交通誘導策を取るのがドイツだ。食糧自給率でも異様に低い日本だが、エネルギーと食糧の自給は最大の国家防衛だとという考え方が根底にある。
自動車交通のすべてを公共交通シフトする必要は無いが、国家経営のリスク分散の観点から、公共交通のサービスレベルを上げる投資は必要だ。
機械式駐車場、15%のマンションが平面化 メンテナンスが重荷に 新着2022-0910 朝日新聞
道路に“塗料のレール” 塗るだけでOKの自動運転インフラを体験 コスト大幅減 新着2022-0907乗りものニュース
5人か1人か、どちらを救う? 自動運転車が直面する「トロッコ問題」【けいざい百景】 2022-0722時事通信

【波紋】滋賀「交通税」検討 “赤字路線を救う”? 新着2022-1110 テレビ朝日
滋賀の三日月県知事「交通税、県民が等しく負担を」 新着2022-1020 日本経済新聞

滋賀県、新交通ビジョン策定へ初会合 交通税と議論並行 2022-0623 日本経済新聞
■「交通税」はなぜ必要? 滋賀県が全国初の検討「置き去りにされてきた議論」
2022-0527のりものニュース
滋賀県では三日月大造知事の強いリーダーシップのもと、交通税の議論が進んできた。民主党政権下で国土交通副大臣を務めた三日月さんは、公共交通問題については思いが深い。元々JR西日本の社員であり、JRの組合関係から国会議員になった。国会の超党派のLRT推進議員連盟では事務局長を務め、地域公共交通活性化再生法や交通政策基本法制定では中心的役割を果たしてきた。2011年には東日本大震災、2012年には衆議院選挙で交通基本法が成立せず、自民党政権下の2013年に自民党案の「交通政策基本法」として成立したが、三日月さんは交通権や財源に対して強い思い入れがあったように思う。秘密保護法の審理が始まると基本法が成立しない状況下で、多くの付帯決議を付けた上で自民党案に乗る選択をしたとき、辻元議員、逢沢一郎議員と情報交換をし、三日月さんを説得して貰った。この時「交通権」に踏み込めなかったが、其れが故に公共交通支援の財源が不足したまま、コロナ禍を迎え、日本は交通崩壊の危機を迎えている。

全国初「交通税」導入へ議論本腰 赤字の地方鉄道や路線バス「存続の危機」 2021-0730  京都新聞
かねて検討されてきた交通税、ハードルはなかなか高いが、今後各地で連動した動きが必要だ。自治体が独自に公共交通のサービスレベルを設定し、それを実現するためには、人材確保、ノウハウ構築とともに財源確保が不可避だ。
近江鉄道沿線地域公共交通計画(原案)に対する意見・情報の募集について 2021-0721 滋賀県
地域の公共交通維持へ「交通税」検討…全国初、24年度以降の導入目指す 2022-0327 読売新聞


コロナで2年間開催を見送った、岡山路面電車まつりを6月11日に岡電東山車庫で開催のご案内
「ベビーカーで乗り放題電車バスにしたいね!」
「公共交通の存在はユニバーサルデザイン、社会基盤」
「公共交通のサービスレベルは誰が決めるの!」
無事終了しました、ご参加のみなさん、ありがとうございました。

開催日6月11日 ㊏10:00~15:00 小雨決行

場所  岡電東山車庫

★路面電車ちょこっと運転体験(小学生40名)①10:30②13:00
当日10時岡電東山で受付(問合272-5520)、当日先着順 ワンコイン500円
★チャギントン電車と岡電ミュージアム
★路面電車展示(7101)乃木坂46 4期生 掛橋沙耶香さんの写真がデザインSUENAGA Groupイメージモデル  瀬戸ぎわの、公共交通を救え! 正念場ッス!
岡電バス、ラッピングバス
★オージー君・たま駅長代理とジャンケン大会

★のりものあつまれ~!【展示車両は都合により変更します】
パトカーx白バイ に乗ってみよう(岡山中央警察署)
岡山カレータクシー(岡山交通)
★玉野市電保存会・RACDA、グッズ販売、鉄道模型運転
RACDAブースでは、寄贈品・在庫品の一部を販売します。
★ミニライブ(まちだこうぞう)
★岡山電気軌道グッズ販売(MOMO、たま、和歌山電鉄など)
鉄道グッズ販売と飲食コーナー
おかでんミュージアムのテラスがおしゃれなブックカフェに(古本・斑猫軒)
★一日乗車券、RYDE PASS無料企画(6/11当日に岡電RYDE PASS初購入の方)
クーポンコード「oka20220611」の入力で1日乗車券1人分400円が割引(1端末1名様50本限定)

▽新型コロナウイルス感染防止対策のお願い
1.体調が悪いときは、来場をお控えください。
2. 入場時、受付にて検温・体調確認をして、連絡先のご記入をお願いします。
3. 入場時に、体温が37.5度以上の方、風邪等の症状がある方は入場をお断りします。

 

主催   NPO法人・公共の交通ラクダ(RACDA)
共催   岡山電気軌道株式会社(開催など問合086-272-5520)
後援   岡山市、岡山市教育委員会、西日本旅客鉄道㈱岡山支社
協力   岡山中央警察署、山陽学園、玉野市電保存会、オージー技研(株)、岡山交通

当日は雨の予報でしたが、曇り空の中朝から続々お客様が来場、幸いほとんど雨も降らず、予定通り開催できました。
NHKニュース(動画あり) 岡山市で3年ぶりに「路面電車まつり」 子どもたちが運転体験
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20220611/4020012932.html
OHK(動画あり)
アクセルレバーを操作し気分は“運転士” 3年ぶりの「路面電車まつり」で子供たちに笑顔【岡山・岡山市】
https://www.ohk.co.jp/data/26-20220611-00000008/pages/
KSB(動画なし)
3年ぶり「路面電車まつり」開催 岡山
https://news.ksb.co.jp/article/14642900
RSK(動画なし)
3年ぶりに「岡山路面電車まつり」開催 小学生が運転士と一緒にレバーなどを操作
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rsk/68070?display=1

 

 

「定期半額」「新駅設置」なぜ地方鉄道が高校生の利用促進?新着2022-0617 NHK
高校生の8割が“車通学”…全国唯一の「鉄道なし県」沖縄。東京より渋滞するって、なんで? 2022-0514 琉球新報

沖縄返還50周年。アメリカ軍が徹底的に破壊した中には、沖縄の鉄道もあった。その後アメリカ統治下では鉄道は復活せず、返還後急速に自動車社会になる。今や沖縄観光はレンタカーに頼る時代になり、那覇空港のレンタカー不足、レンタカー渋滞地獄が話題になる。

高校生の悲鳴「放課後ダッシュで毎日ドタバタ」 JRダイヤ改正で授業繰り上げ 2022-0520 下野新聞
やはり全国で起こっている、無暗な減便とコストカット。民営化JRの露骨な経営姿勢が、現れている。全国の高校生を敵に回してもいいのか。そんな町にはもう二度と帰ってこない。そして市町村も政治家も「誰が公共交通のサービスレベルを決めるのか」を考えなければいけない。決めるのは地域だ。陳情ではダメで、金も出すなら口も出すという姿勢が必要。国も単に国土交通省の問題では無い。少子化も貧富の差も、買い物難民も、介護難民も、交通政策の貧困から起こっている。そして地方では自動車が幅をきかせすぎ。また鉄道と謂えば新幹線建設しか頭に浮かばない政治家達
■瀬戸内市直営バスは中高生無料 2022-0321瀬戸内市ホームページ
交通評論「通学定期」 関西大学宇都宮浄人教授  「交通新聞 2021年3月30日付」
コロナ禍で大打撃を受けた公共交通の支援の一つとして、日本では当たり前となった通学定期割引の仕組みも、見直す必要がある。
「鉄道ファン」しかほぼ乗らない「JRの赤字路線」は廃止一択…高校へは自転車で通ってください 新着2022-0922週間現代
こんなコメントを出す人間もいるんだな、というサンプル、中山間の路線で、山坂在る所を自転車で通えると思ってるのかねえ。

 

鉄路の先に ローカル線と地域(4)宇都宮教授インタビュー 2022-0504 山陽新聞
「鉄道の維持、活用は地域主体で検討を」
鉄道を存続するだけでなく、地域社会がいかに活用し、「投資」として考えていくかの処方箋を提示。小手先の補助制度や経営効率化、ではなく、自動車交通と比較して圧倒的に少ない日本の公共交通投資のあるべき姿を見据える。
富山県の公共交通運行計画「交通事業者の採算性よりも、県民の利便性を重視」新着2022-0901富山テレビ
存廃問われるローカル線、「BRT」は鉄道に代わる交通手段になれるのか新着2022-0825JBPress

欧州の交通計画 SUMP普及へ、両備グループの研究所、指針を翻訳 生活の質を高める手段に 新着2022-0701 日本経済新聞
公共交通を潰し続ける日本 復興のカギは欧州交通計画「SUMP」にあった! 新着 2022-0618 Merkmal

「無くしてしまったらもう終わり」6.2億円の赤字で『JR廃線の危機』町長や町民らが「困惑」32年前に廃線の町で■はバスも存続危機で『負の連鎖』 2022-0503 MBSニュース
鍛冶屋線廃止を経験した住民運動のリーダーの発言が秀一。無くしたら二度と作れない、バスは無くなる、地域も無くなる

昔は広島市のバス会社も競争が激しかったが、路面電車を運営する広島電鉄が音頭を取り、毎年のバス祭りを斉台に実施してきた。事業者間のまとまりも出てきて、ICカードやデータシステム整備を進んでいたが、ここへきてバスの共同経営、運賃値上げとセットで、今回は広島市も絡んで、上下分離が打ち出された。先月末には広島出身の岸田総理に広島市長が会って、協力要請したようだ。また斉藤国交大臣も広島出身で、芸備線存続問題にも関わってきそうである。

広島市、路線バスの「上下分離方式」検討 公的資金を投入 新着2022-0503 中国新聞

だが我々RACDAのズーム会議では、無条件にこれを歓迎する論調ばかりではない。広島のバス業界の取り組みは評価できるが、上下分離の実態がどのようなものになるか、まだまだ見てこないし、道路との関係、自動車交通との関係は未整理なままだ。図にあるように、上下分離の対象になるバス運行での減価償却費の比率は、鉄道に比べてかなり低い。

 

 

 

熊本市電「上下分離」2022年度検討業務の公募型プロポ公告  新着2022-0506 鉄道プレスネット
ここへきて、各地の値上げのニュース、太田恒平さんがまとめました 新着2022-0426

1999年の県庁通りトランジットモール実験以来22年、ついに県庁通りの一車線化が完成した。これから徐々に賑わいが生まれていくと思う。この間、沖縄の国際通り、京都の四条河原町、姫路駅前通などで、歩行者空間の拡大が行われてきた。1kmスクエアー構想のうったては平成元年、1989年なのだが、その提案から全国的にコンパクト&ネットワークの動きが始まり、都市計画に公共交通と災害対策を入れた「立地適正化計画」の策定はすでに405都市で実施された。
だが、公共交通重視はまだまだ絵に描いた餅で、予算も資源も不足、自動車社会の負の遺産の部分は見過ごされ、中高年の地方在住者にはまだまだ自動車神話が蔓延している。地方都市の都心に対する投資は、地方文化の形成と付加価値経世に無くてはならないもの。さらに自治体にとっては都心に活性化は、重要な自主財源確保にもなる。このあたりまたシリーズで瓦版にも書いていきたい。
大型連休を迎えた岡山市の「県庁通り」 1車線化で広がった歩道ににぎわいは? 新着 2022-0506KSB

ローカル線衰退の日本とは大違い 知られざる鉄道大国「スペイン」の実力、高速鉄道の総延長距離はなんと世界第2位だった!新着2022-0917 Merkmal
ジェンダー平等世界2位のフィンランド、日本との違いは?ベビーカー無料 新着2022-0908河北新報
最も稼ぎのいい高速鉄道も赤字転落、中国国鉄集団の負債123兆円 新着2022-0907 中国メディア

バイデン政権は、カーボンフリーに対して、野心的な公共交通投資をチャレンジしようとしている
クルマ社会の米国に、充実した公共交通を:バイデン政権による2兆ドルのインフラ計画の真意 | WIRED.jp
ドイツ全土で6月から1ヶ月9ユーロですべての公共交通乗り放題開始(長距離除く)
脱炭素、ドイツは燃料代上げ 排出量取引で消費抑制   2022-0517 日本経済新聞
なぜ? 欧州で相次ぐ「電車賃」超大幅値下げ 日本は実現できないのか?【牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線#7】2022-0531 Merkmal
あらゆる地域・地方公共交通機関を1200円強で1カ月間乗り放題の「9-Euro-Ticket」発売 2022-0523 Gigazin
燃料補助金、世界で推計100兆円超 脱炭素に逆行 原油高でゆがむ市場、削減の約束ほごに 2022-0612本経済新聞
きっぷ越える衝撃、ドイツ「9ユーロ乗り放題」地下鉄やバスなども含め1カ月有効、だが課題も 2022-0702東洋経済
日本とかなり違う「国鉄民営化」 ヨーロッパの“誰でも参入できる”鉄道改革ってどんなもの?2022-0709 Merkmal
SUMP「持続可能な都市モビリティ計画の策定と実施のためのガイドライン」2022-0401地域公共交通総合研究所
KLMオランダ航空とタリス、スキポール〜ブリュッセル間で鉄道利用促す取り組み開始2022-0810Tracy

 

 


岡山駅バス時刻表