昔は広島市のバス会社も競争が激しかったが、路面電車を運営する広島電鉄が音頭を取り、毎年のバス祭りを斉台に実施してきた。事業者間のまとまりも出てきて、ICカードやデータシステム整備を進んでいたが、ここへきてバスの共同経営、運賃値上げとセットで、今回は広島市も絡んで、上下分離が打ち出された。先月末には広島出身の岸田総理に広島市長が会って、協力要請したようだ。また斉藤国交大臣も広島出身で、芸備線存続問題にも関わってきそうである。
広島市、路線バスの「上下分離方式」検討 公的資金を投入 新着2022-0503 中国新聞
だが我々RACDAのズーム会議では、無条件にこれを歓迎する論調ばかりではない。広島のバス業界の取り組みは評価できるが、上下分離の実態がどのようなものになるか、まだまだ見てこないし、道路との関係、自動車交通との関係は未整理なままだ。図にあるように、上下分離の対象になるバス運行での減価償却費の比率は、鉄道に比べてかなり低い。