毎週火曜日の晩には、全国路面電車ネットワーク会議をZoomで実施。毎回15-20名の参加。
昨晩の報告では、新潟交通が大幅減便を打ち出し、札幌市のロープーウェーなどが無料運行しているとか、ようやく始まった公共交通経営危機についての報道を検討。
先週の土木計画学会では、交通経営危機は影響は、短期シナリオより中期シナリオに近づいており、観光関係は長期シナリオに近いことが報告された。
我々の検討でも、観光バス、高速バス、新幹線の乗客減少はGo Toキャンペーンなどでは回復不能で、少なくとも2年は回復できないと見ている。当然その収益で赤字路線を維持していた、JR含めて多くの路線バス事業が存続の危機に直面している。
また路線バスも向こう半年位では70%まで回復できるかどうか分らない状況で、特に注目している地方の電車バス年間1兆円の運賃収入が最低3000億円減少する。事業者は当然当面の資金繰りも考えて、減便含めたコストカットを必死でやつているが、これは到底無理な話で、先週も書いたようにこのままだと1年後には全国のバス路線は半減しているはずだ。
既に全国で400以上の自治体で支援メニューが作られているが、恐らくまだ総額で200億円とかではないだろうか。
先週は広島県が臨時交付金を使って38億4500万円の支援を、9月県議会にはかると速報された。この位の規模が必要なのだろう。岡山県、岡山市、倉敷市も頑張っている方だが、臨時交付金も使って、増額していかないと、来春までにはほとんど経営破綻するだろう。
我々路面電車ネットワークで議論しているのは、今回の全国的な自治体の支援、臨時交付金分を含めて、その総額が3000億円程度になるには、何をどうするかだ。かつてから市町村は一般会計の1%程度を公共交通に振り向けるべきだと、再三ラクダ瓦版にも書いてきたが、最終的にはそこが目標だ。
今年1月には岡山市長との雑談で、1%論を話したのだが、岡山市の場合は一般会計が3400億ほどだから、34億円、市長は「そんなに出したら、他を大分削らないといけない」と話していた。
つまり自治体がそれだけ出せるように、交付金制度などを作っていくということになる。まずは大きな流れを作るためには、秋の臨時国会で総枠の議論が始まるように仕向けることだ。
またもう一つの課題は、事業者が経営内容について情報公開をすることだ。もはや路線維持には税金投入しかないのだから、その情報公開度、また自治体との関係性がポイントになる。全国各地を見ていると、必ずしも両者の関係は良くくないのだが、結局地域を支えている両者が膝つき合わせて対策を練るしかないだろう。我々はその先進事例を広く探して、広めていきたい。