銚子電鉄の再建秘話 | NPO法人 公共の交通ラクダ(RACDA)

銚子電鉄の再建秘話

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銚子電鉄、株主が総会で廃線進言 煎餅販売を「本業に」2022-0630 朝日新聞

2003年、銚子電鉄の調子が悪いから、年間いくらまで税金いれてもいいか、講演してくれと、当時の市長(直前の岡山県副知事)に頼まれて、2回講演した。
費用便益分析を環境自治体会議にお願いしたが、補助金不正流用事件があって、財務諸表も頂いて分析。
電車の売上が1億でぬれ煎餅の売上が2億。
講演では、元々銚子観光鉄道として設立されていて、鉄道だけの採算を論じるのでなく、銚子の観光全体で支えるべきだが、当面の経営では、むしろぬれ煎餅の売上を拡大したほうが早いと話した。
それと、「社長変えたほうがいい」とも、こっそりアドバイス。当時は万葉線、富山港線、岐阜路面電車、和歌山電鉄の存続を並行して取り組んでいた時期。
合わせて自身の会社も、911でメインバンクが倒産して4000万も損したり、忙しかったが、それだけに食品と鉄道両方やってる会社の財務は、手にとるように分かったね。

その後、和歌山電鉄経営公募や、社長公募が相継ぐようになる。だが、社長変えただけでも、限界はあり、やはり地域のトップの意識と地域社会の練度が問われる。しかもなおかつ、国の支えは低すぎるし、制度は劣化している。

この2003年10月20日のRACDA会長・岡將男、講演でのレジメパワポから
銚子電鉄の社会的価値 平成13年度指標による分析では
全バス転換に対して2億円の得
全マイカー転換に対して4千万円の損
定期旅客の比率が低いという現実、一般的なTDM施策だけでは語れない
観光路線としてのシンボル性をどう見るか、犬吠崎のイメージに壊滅的打撃、これをいくらに見るか
存続への対策
年間2億円までなら地域が補助しても得
車に乗れない高齢者、若年者、旅行客も交通弱者として認識
市民に必要性を数字で訴える
銚子電鉄存続での雇用面も考慮、観光産業が受ける打撃も計算
市民がイベントなどで利用を啓発する
大学等への巡回バスの設定

銚子電鉄を市民が支えた歴史
銚子遊覧鉄道           大正2年
廃止してバス化          大正7年
銚子鉄道発足           大正11年
電化               大正14年
役員会で廃止決議、存続運動    昭和38年
変電所事故で運休1ヶ月      昭和40年
電鉄は市に経営移管を要請     昭和48年

岡山駅バス時刻表