吉備線LRT化
■吉備線LRT化は2003年JR西日本が検討を始めた岡山都市圏の公共交通改善と吉備路の観光資源開発等を見据えた計画だ。2006年には沿線署名2万余、2018年JR西日本・岡山市・総社市は費用負担の基本的合意がされ、岡山市は新駅の位置も地元説明。だがコロナ下で2022年末現在、検討は中止されている。
■同時検討開始の富山ライトレールは2006年に開業、宇都宮ライトレールも今年8月新規開業予定で、いずれも吉備線LRT化の検討がベースになっている。。
■検討過程で画期的だったのは、運営費用の内保守費用1億円の半分を岡山市と総社市が負担するとしたこと。今後の地域交通への費用負担の考え方として画期的だった。さらにJR西日本は2021年からLRT化に先行して昼間30分間隔のパターンダイヤ化、オーストリアなどの先進事例を取り入れた。
■吉備線LRT化は岡山県南都市圏全体の公共交通サービスレベルを上げ、自動車分担率を下げる一方、観光客などの利便性も向上させる仕掛けだ。直接関係の無い倉敷市や赤磐市の通勤通学利便性も挙げる効果がある。上図には、造山古墳の駐車場を拠点にして備中高松駅・服部駅・山陽線などへのバス路線を観光コミバス路線。南北方向のバス路線もやるべき。地球温暖化対策の目玉として、過度に自動車に依存しない社会の構築、合わせて文化観光などの付加価値の高い地域を作っていくためのツールとして今後も注目される。
■ライトレールとは昔の軽便鉄道のように気楽に乗れること、ポイントは駅の数と便数だ。左図のような分りやすいパターンダイヤが望まれる。
【岡山の公共交通を考察①】桃太郎線のLRT化は岡山に何をもたらすのか? 鐵坊主 2022-12
【岡山の公共交通を考察②】たった100m延伸に66億円。岡山電気軌道の駅前電停移設に66億円の価値はあるのか? 鐵坊主 2022-12
鐵坊主さんの動画に沢山の意見があるが、RACDAはいずれにも当初から深く関係し、原案を書いてきた。一部を解説しておこう。
■路面電車と吉備線直通の可能性について
イオン北の高架橋は、設計時にMOMO乗入れを考慮した勾配(性能上は80‰登坂可能)とスルーできる高さに設計している。架線柱のボルトの孔も用意している。吉備線LRT化の検討開始は1999年なので、配慮しているわけだが、市議会でこれについて質問しても、「聞いていない」と答弁した。あくまでも現時点では設計上の配慮であって、事業計画化されていない。しかし長期にわたる都市計画おいては間々あることで、大元駅近辺の瀬戸大橋線高架化でも、一部に橋桁を高くして、下に軌道を敷設できる場所は作ってある。道路の3.8mの高さでは、架線を引けないからだ。 なお吉備線LRT化の検討数字をベースに、富山ライトレール検討がセットで始まったのが2003年。 吉備線だけを単に低床電車を走らせるLRT化では本来意味はない。駅の新設と高頻度運行だけでも十分にライトレールといえる。相互乗入れを前提にした計画ではある。 なおMOMOタイプは吉備線乗入れを見越して、設計上、ポイント通過時の割り込み防止など鉄道線乗入れを考慮してあり、それで富山ライトレールや福井鉄道、宇都宮ライトレールに導入されることになった。
LRTでつなぐ岡山県南クリーンモバイル都市圏構想
提案1 岡山と倉敷のコンパクトシティーをつなぐ、団子と串のLRT
提案2 県南広域コンベンションゾーンをつなぐLRT
提案3 学都岡山の学園をつなぐLRT
提案4 医療福祉都市岡山県南をつなぐLRT
提案5 コンベンション・アフター観光地をつなぐLRT
LRTとは、「路面電車+都市近郊鉄道+都市計画+交通連合」
岡山駅には、JR西日本の
山陽本線上下線(瀬戸―笠岡56.4㎞) 瀬戸大橋線(岡山―児島27.8km)
宇野線(茶屋町―宇野17.9km) 伯備線(倉敷―総社10.7km)
吉備線(岡山―総社20.4km) 赤穂線(東岡山―日生35.3km)
津山線(岡山―玉柏7.5km)
の8方面から県南都市圏LRTを構成する176.0km路線が乗り入れ、岡山電気軌道の東山線・清輝橋線(4.7km)を本格活用し、さらに水島臨海鉄道(11.2km)や井原鉄道(清音―井原27.1km)なども相互乗入れ可能で、既存路線の総延長は219.0kmに及ぶ。香川県側のJR四国や琴電などとも有機的に連携すれば、世界一のドイツのカールスルーエの路線網(13路線、トラム63.3km+直通運転290㎞)に継ぐLRTネットワークを築くことが、極めて簡単である。
吉備線LRT化 RACDA案
路線図
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時刻表
ダイヤグラム