タイトルに強い危機感が表れていた。「くらしの足をなくさない!」 | NPO法人 公共の交通ラクダ(RACDA)

タイトルに強い危機感が表れていた。「くらしの足をなくさない!」

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 山陽新聞 4/30 朝刊1面コラム「滴一滴」
タイトルに強い危機感が表れていた。「くらしの足をなくさない!」。全国の交通関係の研究者や事業者らが24日にオンラインで開催した緊急フォーラムだ。副題は「新型コロナウイルスによる交通崩壊を止めろ」▼今、路線バスなどの地域公共交通の経営が急速に悪化している。休校や外出自粛で乗客が大きく減っても、社会機能の維持のために一定の運行は続けざるを得ない。だから休業を前提とした国の助成金も受けにくい▼もともと路線バスは苦境にあった。減便・路線廃止は過疎地や中小都市だけでなく、近年は大きな都市にも及ぶ。岡山市では20年余りで運行区間が24%も減少し、福山市でも今春多くの路線が減便された▼ほとんどの事業者が赤字経営で、人口の多い岡山市でさえ路線の8割が赤字というから驚く。もしウイルス禍による経営悪化で赤字路線が廃止されたら、市中心部などのわずかな路線しか残らなくなる。まさに交通崩壊だ▼8年前の衝撃が思い出される。岡山県の井笠地方や福山市などにバス路線網があった井笠鉄道(笠岡市)が突然経営破綻し、通学や通院で利用する人らが途方に暮れた▼フォーラムでは事業継続のための資金援助など国への提言をまとめた。岡山県バス協会などは別途、経営支援の要望書を県に出した。交通崩壊の悪夢は何としても避けたい。

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