日本では、人口100万人以上の大都市圏であっても車依存が著しい。公共交通は独立採算の原則の下、近年では運転手不足を理由とした減便が深刻化している。高齢者などのための最低限の足の確保については過疎地を中心に地域公共交通政策として展開されている。一方、都市部の公共交通が車よりも選ばれるように、公的投資によりサービスレベルを高めるような都市公共交通政策は乏しい。2000年代には存在感のあった、パーソントリップ調査を起点とした都市・地域交通戦略も形骸化の兆しがある。
そのような状況を打破するために、渋滞が社会問題化している熊本都市圏では「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」という大胆な目標を掲げた産官学の取組が始まりつつある。また岡山、広島都市圏では、事業者間協調を軸に公費投入も交えた事業環境改善の取組も始まっている。
本勉強会では、岡山大学にて開催される土木計画学研究発表会に集まる都市交通有識者らと共に、各都市の事例を参照しながら、都市公共交通政策の再興について討議する。
概要
- 日程:2024/11/15(金) 17:45-20:45
- 会場:岡山国際交流センター 8F イベントホール
- オンライン:Zoom(URLは申込時に表示)
- 会場優先・少人数運営のため品質不良の際はご容赦ください
- 参加費:無料
- 主催:熊本都市交通リノベーション研究チーム(NICT Beyond 5G 研究開発促進事業)
- 代表:東京大学 伊藤昌毅 准教授
- 事務局:トラフィックブレイン 太田恒平
- 申込み peatix
- 協力:NPO法人 公共の交通ラクダ(RACDA)、ほか調整中
第1部:話題提供
- 開会挨拶
東京大学 准教授 伊藤昌毅 - 趣旨説明
熊本都市圏「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」をめざして
(株)トラフィックブレイン 代表取締役 太田恒平
熊本県 企画振興部長 富永隼行(オンライン) - 日本の都市交通政策における地域公共交通計画の現状と課題(仮)
(一財)計量計画研究所 研究員・芝浦工業大学 何 玏 - 岡山・広島の公共交通の将来像
岡山市 交通政策課 副主査 平田晋一
広島電鉄(株) 交通政策課長 進矢光明
呉工業高等専門学校 教授 神田佑亮
第2部:討議(19:25頃~)
各分野のコメンテーターを交えて、sli.do等も使いながら会場参加型で討議します。
キーワード(案)
- 熊本・岡山・広島の取組
- 鉄道(JR等)
- 路面電車/LRT
- 幹線バス、公共交通優先
- 公共交通の政策目的・便益、車削減・渋滞解消
- 自動車への制約
- 道路・街路・都市政策との連携
- 事業スキーム・財源・運賃
- 国際比較
- 日本の交通政策・計画のあり方
- 市民参画・政治
- 学の貢献
参加予定コメンテーター(名前順・随時追加中)
- 流通経済大学 教授 板谷和也(オンライン)
- 関西大学 教授 宇都宮浄人
- 両備ホールディングス 常務執行役員 大上真司
- RACDA 会長 岡将男
- 富山大学 特別研究教授 金山洋一
- ウィーン工科大学 上席研究員 柴山多佳児(オンライン)
- 富山大学 特別研究教授 中川大
- 丸尾計画事務所 専務取締役・クロスセクター効果研究会 幹事長 西村和記
- 中央大学 教授 原田昇
- 広島大学 教授 藤原章正
- 計量計画研究所 業務執行理事 牧村和彦
- 立教大学 教授 松戸浩
- 熊本学園大学 教授 溝上章志
- 運輸総合研究所 所長 屋井鉄雄
- 福島大学 教授 吉田樹(オンライン)
予習資料
- 熊本
- 岡山
- 広島
- 共同運営システムによる乗合バス事業の再構築に向けた基本方針(広島市)
- 地域・事業者間連携と「学」(神田佑亮)
- 電車・バスの運賃改定及び運賃・定期券制度等の変更について(広島電鉄)
- 日本の都市交通政策
- 開会挨拶